塗り絵・ちぎり絵はリハビリになる?
「塗り絵やちぎり絵は、ただ時間を過ごすためのレクリエーション」
そんなイメージを持たれることもありますが、実は心と体の健康を支える大切な活動の一つです。
介護現場では、楽しみながら自然に手や脳を動かすことができるため、多くの施設で取り入れられています。
今回は、心理師の視点も交えながら、塗り絵・ちぎり絵に期待できる効果についてご紹介します。
塗り絵・ちぎり絵がリハビリになる理由
リハビリというと、「訓練」や「運動」をイメージする方も多いかもしれません。
しかし、毎日続けるためには「楽しい」と感じられることも大切です。
塗り絵やちぎり絵は、作品づくりを楽しみながら自然と体や脳を使うことができるため、無理なく続けられるレクリエーションとして親しまれています。
- 指先を使い、手の機能維持につながる
塗り絵では色鉛筆やクレヨンを握り、線に沿って色を塗ります。
ちぎり絵では、紙をちぎる・つまむ・貼るという細かな動作を繰り返します。
これらの活動は、手や指先を器用に動かす力(巧緻性)の維持につながり、食事や着替えなど日常生活に必要な動作の練習にもなります。
- 脳を活性化する
「どの色を使おう」
「ここには何色が合うかな」
色を選び、塗る順番を考え、手先を動かすことで、前頭葉(考える・計画する)、頭頂葉(空間認識)、側頭葉(記憶)、後頭葉(視覚)など脳のさまざまな部位が働きます。塗り絵は脳をバランスよく刺激するレクリエーションです。
- 集中力を養う
作品づくりに取り組む時間は、自然と目の前の作業に集中する時間になります。
一つの作品を最後まで完成させる経験は、大きな達成感にもつながります。
- 心を落ち着かせる時間になる
好きな色を選び、自由に表現する時間は、気持ちをリラックスさせる効果も期待できます。
「上手に塗らなければ」と考える必要はありません。
その人らしい表現を大切にすることで、安心して取り組める時間になります。
- 「できた!」という自信につながる
心理学では、このような成功体験は自己効力感(「自分にもできる」という感覚)を育てる大切な要素と考えられています。
作品が完成すると、
• 「きれいにできた」
• 「まだできることがある」
• 「次もやってみよう」
という前向きな気持ちが生まれやすくなります。
介護レクリエーションでは、この小さな成功体験の積み重ねが、意欲や自信につながる大切な支援になります。
- コミュニケーションが生まれる
作品を見せ合ったり、
「その色、素敵ですね」
「夏らしくていいですね」
といった会話が自然に生まれます。
完成した作品を施設内に飾れば、ご家族や職員との会話のきっかけにもなり、交流の輪が広がります。
季節を感じる作品づくりもおすすめ
季節感のある題材を選ぶことで、作品づくりがより楽しい時間になります。
【夏におすすめの題材】
• ひまわり
• 朝顔
• 花火
• 金魚
• スイカ
• 風鈴
• かき氷
• 七夕
• 海や灯台
• 夏祭り
完成した作品を壁面飾りとして展示すれば、施設全体で季節を楽しむことができます。

まとめ
塗り絵やちぎり絵は、単なる「暇つぶし」ではありません。
• 指先を動かすリハビリ
• 脳を活性化する認知トレーニング
• 集中力を育む時間
• 心を落ち着かせるリラックス効果
• 「できた」という自信につながる成功体験
• 人との交流を生み出すコミュニケーションのきっかけ
このように、多くの効果が期待できる介護レクリエーションです。
心理師として感じるのは、「楽しさ」の中にリハビリの要素が自然に組み込まれていることが、この活動の大きな魅力だということです。
利用者さん一人ひとりのペースや個性を大切にしながら、「できた」「楽しかった」と思える時間を一緒に積み重ねていけると素敵ですね。
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