介護レクは脳と心にも働きかける?
「レクリエーションって、ただ楽しく過ごす時間なの?」
介護の現場では、そんなふうに思われることもあるかもしれません。
でも、レクリエーションには、
- 人と話す
- 笑う
- 考える
- 体を動かす
- 「できた!」と感じる
- 誰かと一緒に楽しむ
といった、さまざまな要素があります。
こうした活動は、脳や心への刺激にもなります。
今回は、ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・アセチルコリンという4つの物質に注目して、介護レクリエーションとの関係を考えてみます。
① ドーパミン|「できた!」が意欲につながる
ドーパミンは、報酬や意欲、学習、運動などに関わる神経伝達物質です。
たとえば、レクでクイズに答えられたとき。
「わかった!」
「できた!」
「もう一問やってみたい」
そんな気持ちになることがあります。
レクリエーションでは、こうした小さな達成感をつくることができます。
難しすぎる問題ではなく、
「これならできそう」
と思える内容から始めることも大切です。
正解することだけを目的にせず、
「考えてみた」
「参加できた」
ということも、十分な「できた!」です。
② セロトニン|生活リズムや心の安定に関わる
セロトニンは、気分や睡眠・覚醒リズムなどの調整に関わる物質です。
レクリエーションでは、
- 日中に活動する
- 人と会話する
- 体を動かす
- 歌を歌う
- 外の空気に触れる
など、さまざまな刺激を取り入れることができます。
もちろん、
「レクをすればセロトニンが増えて気分がよくなる」
と単純に言えるわけではありません。
大切なのは、レクリエーションを日中の活動や人との交流のきっかけとして考えること。
特に高齢者にとって、生活の中に「楽しみな予定」があることも大切です。
③ オキシトシン|「誰かと一緒」が安心につながる
オキシトシンは、社会的なつながりや親密な関係などに関わるホルモンです。
レクリエーションには、人とのつながりを感じられる場面がたくさんあります。
「一緒に歌う」
「昔の話をする」
「隣の人と笑う」
「チームで協力する」
こうした時間は、単にゲームをするだけではなく、人と人がつながる時間でもあります。
特に介護の場では、「何をするか」だけではなく、
「誰と、どんな雰囲気で過ごすか」
も大切です。
参加者同士で自然に会話が生まれるようなレクも、ぜひ取り入れたいですね。
④ アセチルコリン|「考える・覚える・動かす」
アセチルコリンは、記憶や学習、注意、筋肉の動きなど、さまざまな働きに関わる神経伝達物質です。
介護レクの中にも、アセチルコリンが関係する活動はたくさんあります。
たとえば、
「これは何という歌だった?」
と考える。
昔の写真を見て、当時のことを思い出す。
手を動かして折り紙をする。
ルールを覚えてゲームに参加する。
こうした活動では、記憶や注意、身体の動きなど、さまざまな機能を使います。
ただし、これも「このレクをすればアセチルコリンが増える」という意味ではありません。
大切なのは、楽しみながら頭や身体を使う機会をつくることです。
レクリエーションは「楽しい」だけじゃない
4つの物質を見てみると、レクリエーションには、
「やってみたい」
「楽しい」
「誰かとつながる」
「考える・思い出す」
といった、さまざまな要素があることがわかります。
だからこそ、介護レクは単なる「暇つぶし」ではありません。
もちろん、すべてのレクにすべての効果があるわけではありません。
また、ホルモンや神経伝達物質の働きだけで、レクリエーションの効果を説明することもできません。
それでも、
「このレクでは、どんな刺激があるんだろう?」
と考えてみると、レクの組み立て方が少し変わってくるかもしれません。
「参加すること」そのものを大切に
介護レクでは、上手にできる人だけが楽しめる内容にならないことも大切です。
歌わなくてもいい。
答えられなくてもいい。
途中から参加してもいい。
見ているだけでもいい。
その人なりの参加の仕方があります。
「正解できたから成功」ではなく、
「その人が、その人らしく楽しめたか」
という視点も大切にしたいものです。
レクリエーションは、脳を刺激するためだけのものでもありません。
人とつながり、笑い、考え、体を動かし、「今日も楽しかった」と思える時間。
そんな時間をつくることも、介護レクの大切な役割なのではないでしょうか。

