高齢者になってから?
「サルコペニア」と聞くと、高齢者の筋力低下を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
介護の仕事をしていると、利用者さんの筋力低下や転倒、フレイルについて考える機会も多いですよね。
でも、サルコペニアは高齢者になってから突然始まるものではありません。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、骨格筋量の低下は25~30歳頃から始まり、生涯を通して進行するとされています。
もちろん、「25歳になったらサルコペニアになる」という意味ではありません。
若いうちから少しずつ筋肉量が変化していく可能性があるということです。
「まだ自分には関係ない」と思っている人も、実は今から考えておきたいテーマなのかもしれません。
サルコペニアとは?
サルコペニアとは、加齢に伴って骨格筋量が低下し、それに加えて筋力や身体機能が低下した状態を指します。
筋肉が減ってくると、
- 立ち上がるのが大変になる
- 歩くのが遅くなる
- 階段の上り下りがつらくなる
- 重いものを持つのが大変になる
など、日常生活にも影響が出てきます。
サルコペニアの主な要因は加齢ですが、活動不足や疾患、栄養不良などもリスクになります。
つまり、年齢だけの問題ではありません。
運動や食事など、日々の生活習慣も大切ということです。
フレイルとも関係しています
サルコペニアと一緒に知っておきたいのが「フレイル」です。
フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にあるような状態です。
フレイルには、
- 身体的な側面
- 心理・認知的な側面
- 社会的な側面
があります。
その中でも身体的フレイルでは、筋力や身体機能の低下が重要になります。
そのため、筋肉を維持することは、将来のフレイル予防を考えるうえでも大切です。
筋肉を維持するために「タンパク質」は欠かせない
筋肉を維持するためには、運動だけでなく栄養も重要です。
特に意識したいのがタンパク質。
タンパク質は筋肉をつくる材料となる大切な栄養素です。
肉や魚だけでなく、
- 卵
- 大豆・大豆製品
- 牛乳・乳製品
などにも含まれています。
健康長寿ネットでも、サルコペニア対策では運動と同様にタンパク質の摂取が重要とされています。
では、実際にどのくらい摂ればいいのでしょうか?

タンパク質は1日にどのくらい必要?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18~64歳のタンパク質の推奨量は、
男性:65g/日
女性:50g/日
とされています。
65歳以上では、男性60g/日、女性50g/日が推奨量です。
ただし、これは肉や魚を50g、65g食べればいいという意味ではありません。
1日の食事全体から摂るタンパク質の量です。
例えば、食品に含まれるタンパク質量の目安は、
| 食品 | 食べる量 | タンパク質量の目安 |
| 鶏肉・豚肉など | 100g | 約20g前後 |
| 魚 | 100g | 約20g前後 |
| 卵 | 1個 | 約6g |
| 納豆 | 1パック | 約7~8g |
| 牛乳 | 200ml | 約6~7g |
といった具合です。
※食品の種類や商品によってタンパク質量は異なります。
例えば、1日の中で、
朝:卵+牛乳
昼:魚100g
夜:肉100g+豆腐
というように、肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などを組み合わせることで、タンパク質を摂りやすくなります。
健康長寿ネットでは、サルコペニア対策として、タンパク質を1日3食に分けて摂ることも紹介されています。特に朝食や昼食ではタンパク質が少なくなりやすいため、意識して摂ることがポイントです。
「自分のタンパク質、足りている?」
ここで、ちょっと気になることがあります。
毎日の食事を思い返してみてください。
「朝はパンだけ」
「昼はおにぎりとサラダ」
「夜は肉を食べた」
という食生活になっていませんか?
肉や魚を食べているから大丈夫と思っていても、実際に1日でどのくらいのタンパク質を摂っているのかは、意外と分かりにくいものです。
食事を一つひとつ記録して計算する方法もありますが、毎日続けるのはなかなか大変ですよね。
だからこそ、
「自分の食事で、タンパク質は足りているのかな?」
と、一度確認してみることも健康管理のきっかけになります。
職員も他人事ではない
介護職は、利用者さんのフレイル予防や栄養状態について考える機会があります。
「最近、歩くのが遅くなった」
「立ち上がるときに時間がかかるようになった」
「食事量が減っている」
そんな小さな変化に気づくことも、介護の仕事の大切な部分です。
でも、利用者さんのことを優先するあまり、自分自身の食事や運動を後回しにしてしまうこともあります。
筋肉の変化は25~30歳頃から始まるとされているからこそ、40代、50代になってから慌てるのではなく、今からできることを考えておきたいですね。
介護の仕事を長く続けていくためにも、自分自身の身体を大切にすることも仕事の一部なのかもしれません。
「タンパク質が足りているか」を知る検査もあります
毎日の食事だけでは、自分がどのくらいタンパク質を摂っているのか分かりにくいこともあります。
そんなとき、タンパク質の摂取量が足りているのか、過不足をチェックできる検査を利用する方法もあります。
私が今回使ってみたのが、「からだのものさし フレミーチェック」です。
自宅で採取した尿を郵送することで、日ごろの食生活や生活習慣のバランスを数値化してチェックできる簡単な検査サービスです。
最近疲れやすくなっているためタンパク質を意識して、朝は卵に納豆、昼はヨーグルトやチーズ、夜は魚か肉を毎日食べています。
比較的タンパク質を食べていると思っていましたが…
結果は、1日当たりの摂取量が40g。目標量まで10~20g不足していました!
これを受けて、朝食に牛乳、昼食のお弁当に肉か魚を追加することにしました。
「最近、食事を見直したい」「タンパク質は足りているのかな?」
という方は、自分の食生活を振り返るきっかけの一つになるかもしれません。
検査に興味がある方は、詳しい内容を確認してみてください。
【公式】たんぱく質充足検査「フレミーチェック」/フレイルに負けないカラダづくりに! 価格:3300円 |
※検査は健康状態やサルコペニアを診断するものではありません。持病がある方や、食事について医師から指示を受けている方は、自己判断でタンパク質の摂取量を増やさず、医療専門職に相談しましょう。
まとめ
サルコペニアは、高齢者になってから考えればいい問題ではありません。
骨格筋量の低下は25~30歳頃から始まり、生涯を通して進行するとされています。
だからこそ、今から意識したいのが、
「運動」と「栄養」
です。
そして栄養の中でも、筋肉をつくる材料となるタンパク質は大切な栄養素。
「利用者さんのフレイル予防」だけではなく、
「自分のこれからの健康」
についても、一度考えてみませんか?
まずは今日の食事を振り返って、
「私のタンパク質、足りているかな?」
と考えてみるところから始めてみましょう。
参考文献・参考サイト
・厚生労働省「e-ヘルスネット|サルコペニア」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-087
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
・公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット|サルコペニアに対する栄養」
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/sarcopenia-eiyo.html
・公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット|サルコペニア予防のための生活習慣」
https://www.tyojyu.or.jp/NET/byouki/frailty/sarcopenia-yobo-seikatsu-syukan.html
・公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット|フレイルとは」
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/frailty/frailty.html
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