2025年国民生活基礎調査から見えるこれからの介護|高齢者の一人暮らしと介護の現状

介護の知識

「高齢者の一人暮らしが増えている」

介護の仕事をしていると、日々の現場で実感することも多いのではないでしょうか。

2025年(令和7年)に実施された「国民生活基礎調査」からも、日本の世帯構造や介護を取り巻く環境が大きく変化していることが分かります。

今回は、2025年国民生活基礎調査の結果から、これからの介護を考えるうえで知っておきたいポイントを分かりやすく紹介します。


2025年国民生活基礎調査とは?

国民生活基礎調査は、厚生労働省が実施している調査です。

世帯の状況や所得、健康、介護など、国民の生活の実態を把握することを目的としています。

2025年は3年ごとの大規模調査が行われました。

今回の結果を見ると、特に介護と関係が深いのが、

  • 世帯の小規模化
  • 高齢者の一人暮らし
  • 家族による介護の変化
  • 認知症や転倒などによる要介護状態
  • 老老介護

といった問題です。


日本の世帯は「一人暮らし」が増えている

2025年の世帯総数は、約5,506万世帯でした。

そのうち、単独世帯は約1,948万世帯。

割合にすると、35.4%です。

つまり、現在の日本では、3世帯に1世帯以上が一人暮らしということになります。

また、1世帯当たりの平均世帯人員は2.17人まで減少しています。

家族と一緒に暮らすことが当たり前だった時代から、少人数の世帯や一人暮らしが珍しくない時代へ変化していることが分かります。


65歳以上の人がいる世帯は半数を超えている

65歳以上の人がいる世帯は、約2,761万世帯。

全世帯の50.2%を占めています。

つまり、日本の世帯の約半数に65歳以上の人がいるということです。

さらに、高齢者世帯では単独世帯が53.2%を占めています。

高齢者世帯の半分以上が一人暮らしという状況です。

これは、これからの介護を考えるうえで非常に重要なポイントです。


「家族が介護する」が難しくなっている

これまでは、高齢者が介護を必要とした場合、

「家族が介護する」

という選択肢が比較的大きな役割を担ってきました。

しかし、一人暮らしの高齢者が増えれば、そもそも家族と同居していないケースが増えます。

さらに、子ども世代も仕事や子育てなど、それぞれの生活を抱えています。

そのため、

「家族がいる=家族が介護できる」

とは限りません。

これからは、家族だけに介護を任せるのではなく、介護サービスや医療、地域、近隣とのつながりなどを組み合わせて支えることが、ますます重要になっていくでしょう。


要介護者がいる世帯でも「一人暮らし」が増えている

要支援・要介護認定を受けている人がいる在宅世帯では、

単独世帯が33.2%を占めています。

2001年には15.7%だったため、長期的に見ると大きく増加しています。

介護が必要になったからといって、必ずしも家族と同居しているとは限りません。

一人暮らしのまま介護サービスを利用しながら生活する人も、今後さらに増えていくと考えられます。

介護職にとっても、

「施設で介護する」だけではなく、「一人暮らしの高齢者が地域で生活し続けるために支える」

という視点がより重要になってきます。


要介護になる原因で最も多いのは「認知症」

要介護者について、介護が必要となった主な原因を見ると、

最も多かったのは認知症で23.6%でした。

続いて、

  • 骨折・転倒:14.8%
  • 高齢による衰弱:14.5%

となっています。

認知症は、介護現場でも非常に身近な問題です。

認知症の人への支援では、身体的な介助だけではなく、

「本人が何を感じているのか」

「なぜその行動をしているのか」

「どうすれば安心して過ごせるのか」

といった心理面への理解も欠かせません。

だからこそ、介護レクリエーションでも、単に「楽しんでもらう」だけではなく、安心感や人とのつながりをつくることが大切になります。


要支援では「高齢による衰弱」や「転倒」も重要

一方、要支援者が介護を必要とする主な原因では、

  • 高齢による衰弱:17.7%
  • 関節疾患:14.8%
  • 骨折・転倒:14.7%

などが上位となっています。

ここから見えてくるのが、

介護が必要になる前からの予防の重要性です。

筋力や身体機能の低下を防ぐことはもちろん、

  • 外出する
  • 人と話す
  • 趣味を楽しむ
  • 手や指を動かす
  • 頭を使う
  • 笑う

といった日々の活動も、生活の質を保つうえで大切です。

介護レクリエーションも、こうした活動の一つとして考えることができます。


「老老介護」も身近な問題に

介護を必要とする人と、主に介護を担う人が同居している場合、その組み合わせにも変化があります。

同居している主な介護者と要介護者が

ともに60歳以上の割合は79.0%

ともに65歳以上では61.9%

さらに、ともに75歳以上では37.1%となっています。

介護する側も高齢者という「老老介護」が、決して珍しいものではなくなっています。

介護者自身の体力や健康状態にも配慮しなければ、介護を長く続けることは難しくなります。

「家族だから頑張る」だけではなく、介護サービスを利用しながら、介護する人も支えていくことが重要です。


高齢者の健康問題も見逃せない

2025年の調査では、病気やけがなどの自覚症状がある人は、人口1,000人当たり255.7人でした。

80歳以上では465.5人となっています。

年齢が高くなるほど、身体の不調を抱える人が増えていきます。

介護現場では、利用者さんの「いつもと違う」に気づくことも大切です。

食欲がない、動きが遅い、元気がない、会話が少ないなど、小さな変化が体調の変化につながっていることもあります。


これからの介護に必要なのは「つながり」

2025年国民生活基礎調査から見えてくるのは、単純な「高齢化」だけではありません。

一人暮らしの増加

家族世帯の縮小

認知症や身体機能低下による介護需要

高齢の家族による介護

これらが同時に進んでいます。

これからは、

「家族が支える介護」

だけではなく、

本人・家族・介護職・医療・地域がつながって支える介護

がますます重要になっていくでしょう。

そして、介護レクリエーションにも、その役割があります。

レクリエーションは、単なる「暇つぶし」ではありません。

利用者さんが誰かと会話をしたり、一緒に笑ったり、「今日は楽しかった」と感じたりする時間をつくることができます。

一人暮らしの高齢者が増えていくこれからの時代だからこそ、人と人とのつながりをつくる時間は、これまで以上に大切になるのではないでしょうか。


まとめ

2025年国民生活基礎調査からは、日本の介護を取り巻く環境が大きく変化していることが分かります。

今回、特に押さえておきたいのは、

  • 単独世帯が35.4%を占めている
  • 65歳以上の人がいる世帯は50.2%
  • 高齢者世帯の53.2%が一人暮らし
  • 要介護者等がいる世帯でも単独世帯が33.2%
  • 要介護の主な原因は認知症が最多
  • 要支援では高齢による衰弱や転倒などが多い
  • 高齢者同士で介護する「老老介護」も多い

という点です。

これからの介護では、身体的な介助だけではなく、孤立を防ぎ、人とのつながりをつくる支援も重要になっていきます。

毎日の介護レクリエーションも、そのための大切な時間の一つです。

※この記事は厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」の結果をもとに作成しています。統計値は公表資料に基づいています。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html

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