認知行動療法は難しい?|慣れると心の整理に役立つ方法

ストレスケア

認知行動療法は難しい?

「認知行動療法って、なんだか難しそう」

実際にやってみると、そう感じる人も少なくありません。

「これは事実?それとも考え方?」

「ほかの見方って言われても、そんな簡単に思いつかない」

最初は、よくわからなくて余計にイライラする…なんてこともあるかもしれません。

認知行動療法は、実際に日常場面で使っていくうちに、少しずつ自分の考え方に組み込まれていきます。

まずは、

「むむむ。これは、事実かな?」

と、立ち止まって考えてみるだけでも認知行動療法の練習になります。一緒にやってみましょう。

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最初はうまくできなくても大丈夫

嫌なことがあったとき、私たちは瞬間的にいろいろなことを考えます。

たとえば、利用者さんに強い口調で言われたとします。

「私の対応が悪かったんだ」

「また怒られた」

「私は介護職に向いていないのかも」

そんな考えが次々に浮かぶことがあります。

ここで、

「考え方を変えなくちゃ」

と頑張る必要はありません。

まずは、

「今、私はこう考えているんだな」

と気づくだけでも十分です。

認知行動療法の練習手順

最初は難しく考えず、次の手順に沿って整理してみましょう。

①何が起きた?

まずは、できるだけ事実だけを書き出します。

例:

利用者さんに「何やってるの!」と怒鳴られた。

ここでは、まだ「自分が悪かった」などの判断を入れません。

②そのとき、何を考えた?

その出来事が起きた瞬間に、頭に浮かんだことを書きます。

「私の対応が悪かったんだ」
「また怒られるかもしれない」
「私には介護の仕事は向いていないのかも」

これが、自分の中に浮かんだ自動思考です。

③どんな気持ちになった?

次に、その考えによってどんな気持ちになったのかを確認します。

悲しい
悔しい
不安
怖い
落ち込む

できれば「どのくらい強かったか」を0~100%くらいで考えてみましょう。

たとえば、

不安:80%
落ち込み:70%

という具合です。

④ほかの見方はできる?

ここが少し難しいところです。

「本当に私の対応だけが原因だったのかな?」

「ほかに考えられることはないかな?」

と考えてみます。

たとえば、

体調が悪かったのかもしれない。

何か不安や不満があったのかもしれない。

私の説明がうまく伝わらなかったのかもしれない。

自分の対応にも改善できるところはあるかもしれないけれど、すべて自分の責任とは限らない。

このように、一つの考えだけに決めつけず、別の可能性を並べてみることがポイントです。

⑤では、次にどうする?

状況が整理できたら、

「今の自分にできることは何だろう?」

と考えます。

たとえば、

何がきっかけだったのか確認してみる。

自分の対応で改善できるところがあれば振り返る。

一人で抱え込まず、先輩や同僚に相談する。

ここまで整理できたらOK。

「正しい答え」を出す必要はありません。

⑥③で挙げた気持ちを振り返る

自動思考だけではなく、ほかの見方やできることにも目を向けました。

今の気持ちはどうですか?

③で挙げた気持ちの強さと変化はありましたか?

安心:60%
落ち込み:70%→30%

自分の気持ちと出来事を整理して、次の行動を考える。

それが練習の目的です。

「事実」と「自分の考え」を分けてみる

この練習で特に大切なのが、事実と解釈を分けることです。

「利用者さんに怒鳴られた」は事実。

一方、

「私の対応が悪かった」

「私は介護職に向いていない」

というのは、自分の解釈です。

もちろん、本当に自分の対応に改善できるところがあった可能性もあります。

だからこそ、

「怒鳴られた=全部自分が悪い」

と、すぐに結論を出さないことが大切です。

認知行動療法は「ポジティブになる方法」ではない

認知行動療法というと、

「前向きに考える方法」

と思われることがあります。

でも、必ずしもそうではありません。

「大丈夫、大丈夫」

と無理に考える必要もありません。

つらいものは、つらい。

腹が立つときは、腹が立つ。

その気持ちを否定するのではなく、

「私は今、どう考えているんだろう?」

と整理してみる。

認知行動療法は、そんなふうに自分の心を少し離れたところから眺めるための方法でもあります。

最初から上手にできなくて大丈夫

認知行動療法は、最初からうまく使えるとは限りません。

特に、自分自身が強いストレスを感じているときは、冷静に考えること自体が難しいものです。

そんなときは、

「今日はここまで」

でも大丈夫。

少し落ち着いてから振り返っても構いません。

何度か繰り返していくうちに、

「自分はこういうときに、こう考えやすいんだな」

と、自分の考え方のクセにも気づきやすくなります。

慣れてくると「一呼吸」ができるようになる

認知行動療法を何度か練習していると、

「また私のせいだと思ってる」

「今、最悪のことを考えているかも」

と、自分の考えに気づきやすくなることがあります。

すると、

「ちょっと待って。本当にそうかな?」

と、一呼吸置けるようになります。

この「一呼吸」が、意外と大切です。

すぐに結論を出さずに、

「何が起きた?」

「私はどう受け止めた?」

「ほかの見方はある?」

「次にできることは何?」

と整理する。

それだけでも、気持ちに少し余裕が生まれることがあります。

心を整理するための「道具」として

認知行動療法は、考え方を無理に変えるためのものではありません。

自分の考えや気持ちを整理して、

「今、自分に何が起きているのか」

を少し分かりやすくするための方法です。

最初は難しく感じても、少しずつ練習していくと、日常の中で使える「心の整理道具」の一つになっていきます。

利用者さんとの関わりで落ち込んだとき。

仕事で失敗して、自分を責めてしまったとき。

同僚の一言がずっと気になっているとき。

そんな場面で、

「ちょっと待って。私は今、何を考えている?」

と、一度立ち止まってみる。

そこから始めてみてもいいかもしれません。

※強いストレスやつらい気持ちが続いている場合は、一人で抱え込まず、医療機関やカウンセリングなど専門家への相談も検討してください。

認知行動療法を詳しく知りたい方におすすめの3冊

認知行動療法は、実際に練習してみることで少しずつ分かりやすくなっていきます。


「もう少し詳しく練習してみたい」
「認知行動療法の考え方をじっくり学びたい」

そんな方は、本を使って学んでみるのも一つの方法です。

ここでは、認知行動療法を学ぶときに参考になる本を3冊ご紹介します。

『こころが晴れるノート』大野裕

認知行動療法を実際にやってみたい人に向いている一冊。書き込みながら、自分の考え方や気持ちを整理していくタイプの本です。わたしも実際の臨床場面で、この本を使って練習を進めています。

→ 「まず自分でやってみたい」人に

こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳 [ 大野裕(精神科医) ]

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『自分でできる認知行動療法』清水栄司

認知行動療法を自分で取り組むための本。うつや不安への対処を中心に、セルフケアとして認知行動療法を学びたい人向けです。

→ 「もう少し具体的な方法を知りたい」人に

自分でできる認知行動療法 うつと不安の克服法 [ 清水栄司 ]

価格:2090円
(2026/9/29 11:55時点)

『認知行動療法のすべてがわかる本』清水栄司

イラスト図解で認知行動療法の基本を学べる本。認知・感情・行動の関係や、自動思考、考え方のクセなど、基本的な仕組みを幅広く扱っています。

→ 「認知行動療法の全体像を知りたい」人に

認知行動療法のすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版) [ 清水 栄司 ]

価格:1650円
(2026/9/29 11:56時点)

誰かに相談しながら取り組みたい(PR)

認知行動療法は、自分の考え方を整理するのに役立つ方法です。
でも、つらい気持ちが続いているときや、自分だけでは整理するのが難しいときは、無理に一人で取り組む必要はありません。

「こんなことで相談していいのかな」と思うようなことでも、専門家に話すことで気持ちや状況を整理できることがあります。

公認心理師(国家資格)のみが登録!オンライン心理カウンセリング【Kimochi】

認知行動療法を知ると、「自分はこんなふうに考えやすいんだ」と、自分の気持ちを整理するきっかけになります。

でも、つらい気持ちが強いときや、何度考えても頭の中が整理できないときは、一人で頑張りすぎなくても大丈夫です。

そんなときは、カウンセリングで誰かに話してみるのも一つの方法です。

「こんなことで相談していいのかな」

と思うようなことでも、言葉にして話すことで、自分では気づかなかった気持ちや考えが見えてくることがあります。

オンラインカウンセリング「Kimochi」なら、自宅などからカウンセリングを受けることができます。

認知行動療法を自分で試してみても、うまく整理できない。

そんなときは、一人で答えを出そうとせず、専門家と一緒に整理してみるという選択肢もあります。

AIと専門家が二人三脚で心を整える認知行動療法プログラム【マインドバディ】

オンラインで気軽に気持ちを整理したい方には、マインドバディという選択肢もあります。

マインドバディでは、AIとの対話を通して自分の気持ちを整理したり、必要に応じて専門家によるカウンセリングを利用したりできます。

「まずは誰かに話してみたいけれど、カウンセリングは少しハードルが高い」

そんな方が、自分のペースで心の状態と向き合うきっかけとして利用するのもよいでしょう。

認知行動療法も、カウンセリングも、自分の気持ちを一人で抱え込まないための選択肢の一つです。

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