回想法、やっていますか?
「回想法って、昔の話をしてもらうこと?」
介護や認知症ケアの現場で耳にする「回想法」。
昔の写真や音楽、生活用品などをきっかけに、これまでの人生や思い出について語ってもらう方法です。
でも、回想法で大切なのは、昔のことを正しく思い出してもらうことではありません。
その人が歩んできた人生に耳を傾け、その人らしさを知ること。
今回は、介護レクリエーションにも取り入れやすい「回想法」の基本と、行うときのポイントを紹介します。
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回想法とは?
回想法(Reminiscence Therapy)は、過去の出来事や経験を振り返り、語ることを通して、心理的な安定や人との交流などにつなげていく方法です。
高齢者への支援や認知症ケアなどで活用されています。
たとえば、
- 昔の写真を見る
- 懐かしい歌を聴く
- 昔の生活用品を見る
- 子どもの頃の遊びについて話す
- 昔の仕事について話す
- 当時のニュースを振り返る
などがあります。
特別な道具がなくても、身近なものを会話のきっかけにできます。
回想法にはどんな意味がある?
その人らしさを知る
過去の仕事や家族との暮らし、趣味などを聞くことで、その人が大切にしてきたことを知るきっかけになります。
これは、その人に合った介護やレクリエーションを考えるうえでも役立ちます。
会話のきっかけになる
普段あまり話さない方でも、懐かしい歌や写真をきっかけに会話が始まることがあります。
「この歌、知っていますか?」
「昔、こんなものを使っていましたか?」
そんな何気ない一言から、会話が広がることがあります。
人とのつながりを楽しむ
思い出を誰かに話すことは、過去の経験を共有する時間にもなります。
話す人だけでなく、聞く側もその人の人生を知ることができます。
回想法を行うときのポイント
① 正解を求めない
回想法は、記憶力のテストではありません。
「それは何年でしたか?」
「それは違いますよ」
と記憶の正確さを確認するより、
「その頃はどんな生活をしていましたか?」
「そのとき、どんな気持ちでしたか?」
と、本人の話に関心を向けます。
② 「懐かしいはず」と決めつけない
同じ年代でも、育った地域や仕事、家族、趣味によって思い出は違います。
「これ、懐かしいですよね?」
と決めつけるのではなく、
「これを見て、何か思い出すことはありますか?」
と尋ねてみましょう。
③ 話したくないことを無理に聞かない
昔の思い出には、楽しいことだけでなく、つらい経験もあります。
表情が曇る、口数が減る、話題を変えようとするなどの様子があれば、無理に話を続ける必要はありません。
別の話題に切り替えることも大切です。
④ 本人のペースを大切にする
たくさん話してもらう必要はありません。
歌を聴くだけ、写真を見るだけでもいいのです。
その人が自然に話したくなったときに、耳を傾けてみましょう。
介護レクリエーションに取り入れてみよう
回想法は、特別なプログラムにしなくても取り入れられます。
たとえば、昔の歌を一曲流して、
「この歌を聴いたことがありますか?」
と話してみる。
昔の写真を見ながら、
「この頃はどんな暮らしをしていましたか?」
と聞いてみる。
それだけでも回想のきっかけになります。
年代別の「懐かしい歌・家電・ニュース」については、別の記事で具体的に紹介します。
回想法は「人生を聴く時間」
回想法は、昔の記憶を引き出すだけのレクリエーションではありません。
「この人は、どんな人生を歩んできたんだろう?」
そんな気持ちで話を聴いてみると、普段の介護では見えていなかった、その人らしい一面に気づくことがあります。
大切なのは、記憶を引き出すことより、その人の話に耳を傾けること。
身近な歌や写真から、まずは一つの思い出を聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
心理師からひとこと
回想法に「正解」はありません。
「正しく答えてもらおう」ではなく、「その人の話を聴いてみよう」という気持ちで始めてみてください。
思いがけない思い出や、その人らしい一面に出会えるかもしれません。
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